シドニー留学 - ELC⑤(授業の中身や教材について)
今回も、「ELC(English Language Company)」の授業の様子について書きます。
※こちらのホームページは、重くてなかなか開かないことがあります。
前回の記事(シドニー留学 - ELC④(授業は少人数に分かれて実践形式で))では主に授業の形式について書きましたので、今回は授業の中身や教材のことを書いていきます。
ELCに限らず、欧米系の語学学校への留学に興味のある方に、授業風景の具体的なイメージをお伝えすることができれば私は本望です。
授業は所定のテキストに沿って進められる
メインのクラスの授業では、下の写真のテキストに沿って進められます。
※左が「Upper Intermediate(準上級者)」用で、右が「Advanced(上級者)」用。
A4サイズで1cmぐらいの厚さがあります。
※テキストの中身。
日本に関連する写真や話題が載っていることもあります(右側)。
有名人(左下はブラッド・ピット)や映画、小説なども。
マルタの「ESE」の記事(マルタ留学 - ESE③(授業について))でも書きましたが、語彙や文法の説明、練習問題、ちょっとした長さの文章、リスニング問題などが載っており、イメージ的には「国語の教科書の英語版」といったところです。
マルタのESEで使っていたテキストとは別のものですが、中身は同じようなものですので、たいていの学校でこのようなテキストを使用しているのでしょう。
ちなみに、セブ島の「MBA」のときも、講師から同じようなテキストのコピーを渡されておりました。
上の写真のとおり、テキストは問題文も解説も含めてすべて英語ですので、その点に不安を感じる方には厳しいでしょう。
これは、マンツーマンレッスンが中心のセブ島留学であっても、本質的には同じ話です。
(日本語のわかるスタッフによるしっかりとしたフォローがある学校を除いて)
そのような方は、まず日本である程度まで勉強してから、海外留学にトライすることをお勧めします。
なお、メインのクラス以外では、授業の都度プリントが配られていましたが、たいていは何らかのテキストのコピーが配られていただけですので、実質的には変わりはありません。
(たとえばビジネス英語のクラスでは、ビジネス英語用のテキストのコピーが配られていました)
一応カリキュラムがある
授業は、一応カリキュラムに沿って進められます。
わかりづらいかもしれませんが、テキストの目次は下の写真のようになっており、それぞれの章でどのような文法や語彙などを扱うかが記載されています。
※テキストの目次。
「一応」と書きましたのは、数週間〜数ヶ月程度の海外留学では、カリキュラムなんてどうでもいいからです。
留学は週単位で申し込めますが、クラスはこちらに合わせて1章からはじめてくれるわけではありませんので、たいていは途中から飛び入り参加する形になります。
もちろん、最後も途中で抜ける形です。
私の場合は、「Upper Intermediate(準上級者)」の第4章から参加し、「Advanced(上級者)」の第4章で抜けることになりました。
ちなみに各テキストは10章まであり、基本的には1週間に1章ずつ進みます。
以上のようになっているために、留学した最初の週は、「前回勉強した○○を使って〜」と言われて「いや、自分は勉強してないし」ってなることもよくあります。
そのような生徒に対し、講師も最低限のフォローはしてくれますが、もちろんすべてを教えてくれるわけではありません。
この点を欧米系の語学学校のマイナス点と捉える方もいらっしゃいますが、そもそも、はじめから最後まできちんと教わりたいという方には、海外留学は向きません。
(年単位で行く場合を除いて)
そのような方は、まずは日本である程度まで勉強したあと、学んだことを実際に使ってみる場として、海外留学に臨むのがいいでしょう。
一方で、もしあなたが「今は忘れてしまったけど、中高生のころはけっこうがんばったんだよなぁ」ということであれば、あまり悩まずに飛び出してみるのもアリです。
日本で高校まで勉強していたのであれば、それなりの基礎は身についているはずですよ。
英語オンリーならではの難しさ
とはいえ、英語のみというのはやっぱり大変ですし、だから意義があるとも言えます。
たとえば、授業中に単語の意味を聞かれることがあるのですが、当然英語で説明しなければなりません。
これ、大変ですよ...
これまである程度勉強されてきた方であれば、「abstract」の意味が「抽象的な」などであることはご存知でしょう。
でも、「abstract」の意味を英語で説明できます?
この「知っているんだけど説明できねぇ...」というときのもどかしさといったら...
ちなみに、同じクラスに韓国人の優秀な女の子がいたのですが、こういうのをスラスラ答えられちゃうんですよねぇ。
本当はこのレベルまで行かないと「使える英語が身についている」とは言えないのかもしれませんが、なかなか道は険しいです。
受験勉強で磨いた力が生きることも
一方で、私のように受験勉強に力を入れてきた人間が輝けることもありました。
(上記の韓国人の女の子は、そのような場面でも強かったのですが...)
よその国の人はだいたいみんな文法なんてあまりわかっていませんし、単語の綴りもいい加減です。
それでも日常会話は十分にできていますので(ネイティブほどではないにせよ)、いかにこのような知識がどうでもいいことかがわかります。
「どうでもいい」が言い過ぎだとしても、少なくとも、受験英語が実用性から離れているのは間違いないでしょう。
それはともかく、私はこのような面では強いため、授業中にほかの生徒が答えられないところをスパッと答え、周りから「おおー」と賞賛されたときは気持ちよかったですね(笑)
ゲームが取り入れられることも多い
授業は、単にテキストに沿って進められるだけでなく、ゲームが取り入れられることも多いです。
むしろゲームがメインと言ってもいいぐらいであり、その盛り上がり具合に講師の力量が如実に現れます。
(クラスのメンバーや雰囲気に影響される面もありますが)
ゲームというのは、たとえば次のようなものです。
- クラス全体で2チームに分かれる
- 各チームから1名ずつ前に出る(代表者)
- 代表者にだけある「単語」が提示される(2人同時に同じもの)
- 代表者は、その単語の「絵」をホワイトボードに書く(口頭説明はNG)
- 各チームの残りのメンバーは、代表者2人の絵を見て単語を当てる
- 最初に正解した人のチームにポイントが入る
- 代表者はローテーション制で、全員回ってくる
わたしはこのゲームに初日にいきなり参加させられ、「これは大変なところに来てしまったかも...」と思ったものです。
なんせ、ほかの人たちは前の週からのクラスメート同士なのに、こちらはまだ誰も知らない状態ですからねぇ。
いやぁ、留学生活では、いろいろな意味で鍛えられました。
なお、ゲームの内容は、たいていはカリキュラムに沿ったもの(テキストの内容に関連のあるもの)になっております。
上の例の場合は、その週に重点的に学ぶ予定の単語が使われておりました。
まだまだほかにもいろいろなゲームが取り入れられており、小道具の準備の大変そうなものも少なくありませんでした。
ただ、それらは講師間で共有されており、一人で準備していたわけではありませんので、学校全体で、授業を盛り上げるためにいろいろと工夫されている様子が窺えました。
今回はここまでで。
ELCについては、こちらの記事もご覧ください。
シドニー留学 - ELC④(授業は少人数に分かれて実践形式で)