短期留学はどこまで役に立つか?

英会話ができるようになるために、短期留学はどこまで役に立つのか、そもそも有効なのか、ということを考えられている方もいらっしゃると思います。

私の意見としては、もちろん役に立つと思っていますが、留意すべき点がいくつかありますので、それらを以下に挙げておきます。

なお、ここでの「短期」は、6ヶ月程度までを想定しています。

最近は、1〜2週間の留学をされる方もたくさんいらっしゃいますが、英語力の向上には、6ヶ月でもまだ「短い」です。

 

英語が全然できない人には厳しい

何を以って「できる/できない」とするかですが、「中学三年生の英語の教科書を読んで理解できる」ぐらいのレベルは必要かなと。

「理解できる」と言っても、単語を全て知っている必要はなく、教科書にある英文と日本語訳を読んで、なんでそのような意味になるかがだいたいわかれば十分です。

セブ島に留学していたときに、それ以下の英語力の人に何人か出会いましたが、本人も先生も大変そうでした。

そのような人たちは、先生が言葉を変えて説明しても理解できず、自分が何がわからないのかを伝えることもできていませんでした(単純に言葉がほとんど出てこない)。

ただ単語をつないだだけの片言レベルでもいいので、とにかく英語を発することができれば先生が意味を拾ってくれますが、それさえできないと会話になりません。

語学学校の中には、日本語で教える特別クラスを持っているところもありますが、まずは日本である程度勉強してから留学するか、年単位で留学するかのどちらかでしょう。

 

1〜2週間では英語力は上がらない

これも偉そうに書くほどのことでもありませんが、やっぱり、1〜2週間では英語力は向上しません。

ただし、けっして無駄だと言っているわけではありませんのでご注意ください。

たとえば、「これまで日本で勉強してきたので、実際に外国人と英語で会話してみたい」という人には、いい腕試しの場になると思います。

海外旅行を兼ねて留学するというのもありでしょう。

いずれにせよ、これまで留学経験のない方であれば、いい刺激を受けられるのは間違いありません。

じゃあどれぐらいなら英語力がアップするのかとなると、これはもう個人によりますが、私の場合は、3〜4週間目にふと手応えを感じたことを覚えています。

私のように、「過去に受験などでそれなりに勉強したことはあるけど、実際の会話の経験はほとんどない」というような人の場合には、1ヶ月ぐらいが目安になるのではないでしょうか。

 

モチベーションアップになる

正しく努力すれば、日本にいても英語はできるようになるのだと思います。

ただ、そうは言っても、なかなか努力が続かなかったり、そもそも勉強をはじめられなかったりする人も多いのではないかと。

しかし、実際に留学してしまえば、とにかく英語を話すしかありません。

そんな中では、思うように意思疎通できずにもどかしく感じることがしょっちゅうな一方で、ごくたまに、単なる言葉のやり取りを越えて気持ちが通じ合ったと思える瞬間があります。

そのような経験があったからこそ、もっと英語ができるようになりたいと思いますし、いまでも勉強を続けられています。

 

異文化に肌で触れられる

たとえば海外旅行だと、普通はその土地の文化の表面をなぞるだけで終わってしまうと思いますが、留学の場合には曲がりなりにもその土地で「暮らし」ますので、もう一段二段入り込むことができます。

とくに、その土地の人たちがどんなことを考えているのか、どんなふうに感じているのかといったことに触れる機会が増えます。

これは私には非常にいい経験でした。

文化的(文明的というべきかも)な背景に大きな差がある場合は別ですが、そうでない場合は、けっきょく人間ってあんまり変わらないんだなぁ、と。

大げさに言えば、「世界」を一気に身近に感じられるようになりました。

 

まだまだいろいろありますが、今回はここまでで。